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2017年3月20日(月)、現地ツアーでテオティワカン遺跡やシティ観光

地球上どこでも今日は春分の日なのです。普通は学校や会社が休みであることくらいの意味しか感じないのですが、たまたまメキシコに来てる僕はシティ近郊にあるテオティワカンという2000年くらいまえの遺跡に行こうと考えていたのです。ところが春分の日は「エキノクシオ」といって大変重要な日だということを直前に知ることになりました。なんでも太陽のピラミッドから日が昇る唯一の日らしく、この日にピラミッドで光を浴びるといろいろご利益があるとのこと。当然ながら大混雑となり、個人観光客は大変な目に遭うこと間違いなしというネット情報を得てどうしたもんかと迷いました。でもせっかくだから特別な日に登ってみるのも記念だし、と更に調べるとHISが手配する現地日本語ツアーを発見。他の市内観光などもついて1日1万円とのことですので、いろいろ考えるより頼んでしまえ、と日本を出る直前にオーダーしておいたのでした。

早朝の街を歩いてヒルトンへ
朝7時15分にホテルから歩いて15分くらいの距離にあるヒルトンホテルのロビーに来てください、とのメールを受け取っとてたので早起き散歩がてら昨日行った屋台の近所にある高層ビルへ。ロビーで暫く待つとびっくりするくらいの美女が僕を呼ぶではありませんか。は、はいっと元気よく返事して他に数名が乗り込んでたライトバンへ。僕をいれて6名の客と現地ドライバー氏と美女ガイドの8名で観光ツアーが始まったのでした。

<グアダルーペ寺院>

車内ではマイクを使って懇切丁寧な説明が始まりました。やっぱり日本語ツアーにしてよかった、と心より喜ぶようじゃ僕もすっかり年を取ったなあって思うのですけどいつまでも無理して個人旅行にこだわるようじゃいけません。こちらに住んで5年というガイド氏のもつ情報を日本語で得られる機会はとても貴重でした。

山々の上にまで住宅が広がる
三文化広場の横を走りながらメキシコの地層に刻まれる複雑な歴史について考えたり、郊外の山裾に広がる色とりどりの家々が持つ独特の歴史や意味合い(なぜペンキが使われていないグレー壁の家が点在するのか、どうして屋上に鉄筋がむき出しなのか→実は節税対策でした、とか)や、平均的な月収と都市部との格差など普通に観光していては思いも寄せぬ話をたくさん知ることができました。

グアダルーペの奇跡の現場
最初に訪問したのは聖地、グアダルーペ寺院。ここはスペイン植民地時代に聖母マリアが現れ、教会を作るように現地人に指示し、自らの存在を証明するために赤いバラを咲かせたという逸話を聞き、そのバラを包んだ布に聖母マリアの像が現れたという奇跡を掲げる教会を見ることができました。現地のカトリック信者にとってはとても大切な聖地なのだそうで、早朝であまり人がいないおかげでじっくり見ることができました。<ミサの動画

これがグアダルーペの奇跡
日本での僕の生活にはあまり宗教の色はないのですが、太平洋を挟んだこちら側ではとても大切な生活の一部なのだなと思えてきます。10年ほど前にインドに出かけたときも人々と彼らが信じる神々と距離があまりにも近いことに驚きましたが、ここでも神様は僕らが想像する以上に人間の直ぐ側にいるってことかとあらためて思いました。NASAに調べてもらったら地球上にないはずの絵の具が使われてたとか瞳の中に人間が映り込んでたとか、小学生の頃だったらワクワクドキドキしたような逸話もたくさん聞けて、そんなところまで含めて人間を魅了する何かがあるんだろうなあ、なんて。

さてここで僕のSIMカードのパケットが切れてしまう事態に。最初買ったときには少ししかパケットがついてこなかったようなのです。そりゃそうだよなあ安すぎるもの。ガイドさんに相談したらコンビニですぐにリチャージできますよということで150ペソ分(1GB)を追加しておきました。観光旅行とは言いながらも仕事の連絡もあるのでやっぱりネット環境は大事なのです。

<テオティワカン遺跡>

さてしばらく道路を北上するといよいよ今回メインのテオティワカンです。紀元前2世紀に作られた当時の世界的大都市にはすでに多くの行列渋滞ができ始めてましたが、それでも比較的容易に遺跡まで来ることができました。まずは太陽のピラミッドへ。ピラミッドといってもエジプトの墳墓とは無関係で、こちらは神殿です。どちらかといえば日本のお城が石垣を中心に構成されているってイメージを持ちました。実際ピラミッドの屋上には天守閣みたいな建築物があったそうです。

筆者と太陽とピラミッド
太陽のピラミッド(建設当時からそう呼ばれていたわけではなく後世アステカの人たちがそう命名したのだとのこと)に登りたい方は登ってください、1時間後に会いましょうって事になり、そりゃ登るでしょ、と横のスロープへ。メキシコのピラミッドには必ず作られているという階段をせっせと上り、途中何度か渋滞しながらも15分程度で頂上に達しました(あとで聞いた話だと午後から来た人は登るまでに2kmくらい列に並んだそうです)。
皆一様に両手を天に掲げ、エネルギーを充填してました。たしかに肌がヒリヒリするほどのエネルギーを感じます。まあ冷静に考えれば普通に熱エネルギーなんですが赤道近くで高度2,000m超えてると日本にいるより数倍強烈に感じます。<太陽のピラミッド頂上からの動画

古代の高層ビルに登る現代人
頂上からの光景はまさに絶景、月のピラミッドをはじめ古代都市の様相には息を呑むばかり。これまでたくさんの漫画、SF作品、映画やテレビ番組で見てきた光景が目の前にあるわけで、ちょっとした感激ものです。でも次から次へ人が登ってきますのであまり頂上にゆっくりするわけもいかず、下りの階段へ。上りより下りのほうが気を使いますが、大きな混乱もないまま無事下界に降りました。高所恐怖症気味の人はちょっと辛いかなあ。日本だったら徹底的に安全対策の手すりが作られるところでしょうが、ロープが1本張られてるだけであとは警備員のおじさんたちが人手でヘルプしておりました。巨大に肥えたお客さんもいましたがそれでも平気で歩いていくもので、観光客なんてのはあんまり甘やかさなくても良いのかもなあ、なんて。

月のピラミッドにも登る
再集合したらまたクルマに乗って月のピラミッドへ。こちらにも登ってみました。太陽よりも少し傾斜が急だそうでたしかにひぃひぃ言います。こちらは頂上までは上がれない仕様ですが、ますます勢いをつけていく日光を浴びてみな妙にハイになってます。地上では太鼓が叩かれ踊っている一団がいます。ジャガーが吠える声を模したおもちゃのぐぎゃあって音があちこちから聞こえてきます。月のピラミッドから空を見ると白い月を見つけました。いにしえの民にとって月や太陽は神々と同じくいまよりももっと身近な存在だったのだろうなあ。<月のピラミッドからの動画

死者の大通りから北方を
集合時間まであちこち登ったり死者の大通りを歩いたりしながら、これが作られたのって日本ではまだ弥生時代ですよ。世界史で言えば前漢とか共和制ローマとか。当時日本列島に住んでいた人間には同じモンゴロイドが海の向こう側で大都市作ってるだなんて想像もしなかったろうなあ。いや意外と風の便りとかで知ってたりして。

火山岩で作られた石垣を手で触りながら、これって究極の一次情報だよなあ、などと思いをめぐらす。機械を作らず徹底的に人力を発展させ、思いもよらぬ発展を遂げた中南米のモンゴロイドと機械やネットと融合せんばかりに近づきつつある僕らを分けたのは何だったのだろう。そんなこと考えながら「旅とは一次情報に触れるための営みである」てな格言を考えついたりしました。
無事に遺跡観光が終わりしばらくバンに乗って走ったら本日の昼食場所へ。

<レストランで昼食>

いろいろな料理にチャレンジ
レストランの楽隊
遺跡からわりと近くのレストランは思った以上に豪華な作りで、一人200ペソ(1200円くらい)でビュッフェ方式食べ放題とのこと。6人で一つのテーブルを囲み、自己紹介したり乾杯したりしながら謎のメキシコ料理を楽しくいただきました。僕はビールも頼んでほろ酔い気分。このあとキューバに行くんだというご夫妻や仕事で現地に住み始めたけどまだ観光したことがないので乗ってみたという若い夫婦、僕よりちょっと年上なおじさん、それに僕。あれが美味いこれはちょっと、なんて言いながら食べてるとギター抱えた一団が入ってきてテーブルを回って演奏と唄を披露し始めました。僕ら日本人を意識してか「川の流れのように」も。たしか中南米で大ヒットしてたとは聞いてましたのでやっぱりそうかーって感じで。<レストランでの楽隊動画

<歴史地区・ソカロ広場周辺>

すっかり気分良くなって居眠りしている間にバンはシティに戻っていました。ソカロ広場にクルマを止めて徒歩での案内となります。

【テンプロ・マヨール】

ゆっくりみたいアステカ遺跡
地下工事によってみつかったアステカの宮殿が保存されているということで外観から説明を受けましたが博物館は本日お休みとのこと。アステカ帝国は日本で言えば鎌倉室町時代くらいの比較的新しい文明だったとのこと、午前中見たテオティワカンの遺跡にも触発され、さまざまな独自の文化を発展させ、世界史の中でも特異な魅力を発しているとのこと。また生贄や人肉食などについても興味深い話を聞きました。機会があれば博物館が開いてる日にぜひ再訪してみると良いですとガイドさんが言うので、来週飛行機に乗る前に来なくちゃなあ、と(帰国日に再訪しました)。

メトロポリタン大聖堂

建物の傾斜がわかる
毒を仕込まれた黒キリスト
足を曲げた黒いキリスト像の逸話について興味深い話を聞きました。また地盤沈下の影響で聖堂自体が傾いていることを示す天吊りの重りを見ながら傾斜の変遷も知ることができました。熊本地震であらゆる建物が傾斜してしまった地域を見たときの感覚が戻ってきました。もう一度地震きたらもう持たないんじゃないかなあ。

シウダデラ市場

静かでのんびりした市場
本来なら国立人類学博物館に案内するツアーらしいですが本日は月曜日のため休館。というわけで有名な市場に行くことになりました。市場といえばホー・チミン市のベンタン市場やコルカタのニュー・マーケットの地獄のような客引きを連想するわけですが、メキシコではまったくそんな様相が見られずびっくりでした。とても平然としているというか、こちらから声かけなければまず売り込んでこないし、値切ってみたところで「ムリ」と返されあっけなく断られたり。見かけと違ってアジア的ではない気がしました。正直ちょっとほっとします。お土産物なんかもたくさん売ってるということですが、まだ旅は始まったばかりでここで土産物を買うとこのあと持ち歩かねばなりませんゆえここでは見るだけに。午後のけだるい一時ならではののんびりした空間を楽しめました。


あっという間に16時をまわり、ホテルの近くで下ろしてもらいこのツアーもおしまい。旅のはじめにしっかりメキシコの知識をつけることができました。

このタコス屋さんでした
お勧めされたのタコス美味!
ホテルに戻りひと休み、のつもりが熟睡しておりました。やはり初日から飛ばしすぎたか。時計を見るともう夜の8時を回ってますがせっかくなので何か食べに行こうと近所をうろうろ。昨日に比べると店がたくさん開いてるようです。やっぱり日曜の夜は店じまいが早かったのか、と納得しつつふと手頃な大衆食堂「Taquería Tlaquepaque」を発見。ふらっと入り、ほとんど伝わらない会話だけどどうにかオススメのタコスをお願いして、できたのがこれがまた最高に美味しい。ビールも頼んでしまって合計75ペソ(約440円)。量もちょうどよかったし、だんだん慣れてきた感じがして嬉しい。

<Googleフォトが自動作成したスライドショー>


  1. https://goo.gl/photos/V3ZmnWRZksap6X6NA
  2. https://goo.gl/photos/esycHbPfjCdNAQry6


<今日の写真>

グアダルーペ寺院
太陽から見た月のピラミッド

スピリチュアルな団体さん
多くの人たちが頂上まで列を

白い月が見えた

誰か知らないけどぜひ幸福になってください

当時はここに水が張られていた説もあるそうだ。だとしたらガンジス川のガートみたいにも。

シティに戻って教会のファザード

シウダデラ市場は広いけど迷うほどでもない

シウダデラ市場には銀製品のお店も

市場の駐車場で遊ぶ子どもたち。やっぱりどこかアジア的だ。

ホテル近くの大通りは日本でいうと秋葉原みたいな電気街だった。

見よう見まねでサルサ(ソース)をつけてタコスをビールで流し込むひとり夕食で1日を締めた。

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